2001年3月アーカイブ

弁当

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〓画像パス〓配達

幼稚園に持たせる弁当というのは、若いお母さんには相当なプレッシャーになるのでしょう、本屋の料理本コーナーには見た目にかわいいお弁当の本がいっぱいならんでいます。 どうも、ただご飯とおかずを詰めただけではいけないようなのです。ろくに台所に立つことのなかった女性が、こうやって料理を覚えていくのだな、とほほえましくなってしまいますが、ひとりで小さな子供を育てることになってしまった若いお父さんはどうしているのでしょうか。

木こりのお父さんは朝早く、わっぱの大小にご飯を詰めて、あいだにおかずを挟んで、山の中を徒歩で1時間、現場に着いて朝ごはんになるのですが、大きい器のご飯を食べてしまうと、それが蓋になるのですね、昼食までの、小さい方を先に食べてしまうと、そうはいかないんですわ、とテレビでやっていました。

学校や職場に弁当を持って、というのは独特の習慣のようです。 和食というのはオードブルのようなところがありますから、冷たくなっても食べられるという面もあるのでしょうが、ホカホカ弁当が受入れられたところを見ると、やはり温かい方がいいのでしょう。 インドでは各家庭から弁当を預かって職場まで配達する職業があるそうです。 冷たくなったカレーではしゃれにもなりません。

外食文化の歴史が乏しかったせいもあるでしょうが、1時間の昼休みに食べる処を捜して、注文したものがくるのを待って、相席でサービスランチをかっこむのは、いかにもせわしないですね。これならコンビニ弁当、ほかほか弁当、食品売場の弁当、仕出し弁当、気まぐれな愛妻弁当でも広げて、くつろぎたくなろうというものです。

都心に暮らすカラスは早朝から銀座、赤坂、六本木と盛場を周遊して餌をあさるそうです。かなしいかな駅弁、なぜか観劇の幕の内弁当、これがないと始まらないお花見弁当、ともかく弁当を確保すると安心するのです。

子供の頃、母親が寝過ごすと、一日のはじまりは大騒ぎになって、あたふたとパンをかじり、即席の弁当を持って学校に行ったものですが、ごはんの上に海苔が敷いてあり、あとは目玉焼きと決まっていました。 冷えた目玉焼きと、冷たいご飯にのった湿気を含んだ海苔はおいしいものではありませんでしたが、考えてみると作るほうは大変なのです。

監督業

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〓画像パス〓指揮者

常総学院の木内監督は、甲子園に出てくると最高齢の監督として紹介されるようになりました。69歳になります。巨人の仁志や日ハムの金子などが教え子になるのですが、取手二高で優勝監督になるまで、永いあいだ手弁当で監督をしていました。ずっと奥さんの稼ぎで家計をまかなっていたのですが、その道楽親父が脚光をあびてヘッドハントされ、今では高校の理事に収まっているというのですから、人生判りません。

この手のはしりは、三池工高で優勝監督になった原の親父が、東海大相模の監督に招かれたあたりではないでしょうか。今でも自宅を合宿所にして、奥さんが食事のめんどうをみて、というパターンがよく紹介されます。

鹿島アントラーズのトニーニョ・セレーゾ監督は痔の手術のため今シーズンの来日が遅れました。おまけに前立腺肥大の疑いがある、と報道されています。前節の出遅れは明らかで、toto ではあまり期待はしないようにしています。 昨年のアントラーズは守備をかためて負けないサッカーで優勝をかさねました。 技術的なものがあるのでしょう、守りに入っても守りきれないのが今までの日本のサッカーだったのですが、この愛すべき楽天的な監督はそんなことに無頓着で、フォワードをみんな引っ込めてしまい、同点にされて、あらまと思っていたら本山のゴールで救われたこともあったのです。

サッカーの監督の力量は、ハーフタイムでいかに前半戦を分析し、修整をしてくるかで判るといいます。テレビの解説者は監督をやって失敗した人ばかりですから、言ってることはあてになりませんが、外国人監督はさすがにきっちり修整してきます。

建設現場の監督は、かなしいかな脚光をあびることはありませんが、面白いところは経営者や上司、スポンサーがいるにせよ、一応現場をまかされたかぎり、独裁者としてふるまうことも可能な立場にいる、というところにあります。 けっこうハイになった状態で仕事をしていることが多いのです。

まさます悲しいことに、このところの不況で人材は余っています。 マンション業界ではゼネコンを抜きにして、倒産やリストラではじき出された技術者を契約社員に雇って、自前で工事をやってしまう所が増えてきたそうです。 工事は下請けの専門屋がやるのですから、同じように仕上がります。 15%程安くあがるそうです。

黒沢明は86歳まで映画を創り続けました。 息子は料亭を買い取って料理屋を経営したりしています。映画監督には珍しくけっこうな資産を遺したようです。

蔵書

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〓画像パス〓蔵書

蔵書に対する愛着があるとすれば、知的背景の象徴といった要素が有るのではないでしょうか。でなければ読み進んでも、ちっとも面白くならない本を最後まで読み、しかもそれを捨てないで取っておくという行為の説明がつきません。 あれは何か貯金通帳を見る時の感情に、通じるものがあるのではないか、と思います。

たまってくるとかさ張るし、引越しするときは重たいし、なかなかやっかいです。 実家に置いてあった本が建て替えの時に、ガレージの中でカビだらけになってしまい、雑巾でふきながら、これはどう見ても蔵書というよりゴミだな、と考えざるをえなかったのは、それが新刊本より安いというだけで古本屋で買った物や、文庫本ばかりだったからです。

ゴミが増えるだけだと思うようになった時期と、図書館を利用するようになった時期が重なります。いなかの図書館でもいなかの本屋より品揃えは豊富です。5.6 冊借りて2.3 冊読めばいいのですから、買う時にこれは面白いのだろうか、と悩まずにすむのが助かります。

初版本、稀覯本を血眼になって捜し求めるマニアの蔵書、なんでそんな物を、と思っていたのですが、骨董品の蒐集のようなものだったのだな、と理解できるようになりました。どうせ飾るのなら、見栄えのするほうがいいのに決まっています。いざとなったら高値で引き取ってもらえる本をそろえるべきです。

作家の仕事場などという雑誌のグラビアで、机にむかう作家の背景にさりげなく写る本棚には、ある程度の量が必要でしょう。 『ぼくはこんな本を呼んできた』という立花隆の本では、彼の蔵書を収める地下1階地上3階の、書庫兼仕事場が紹介されています。 本読みのプロとしての夢だったのでしょう。それなりに誇らし気です。 中学生の時に書いた読書記録まで載っています。

講習業

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〓画像パス〓招き猫

義務教育は無料で受けることができるようですが、莫大な税金が使われていることも事実です。 これに倣って任意の教育を強制することができるなら、カルチャースクールや生涯教育といった商売がかったるく思えてくることでしょう。

国の機関が個人に与える免許には様々な講習が用意されています。車の運転免許は取るのも大変ですが、維持するのにもそういった講習の洗礼をうけます。違反をして行政処分を受けたりすると、罰金だけではなく免許停止を短縮してもらうための講習を、お金を払って指定された不便な所まで受けに行かなくてはなりません。 30日の免停なら1日、60日なら2日、当日は免停ですから車を運転して帰るわけにはいきません。近所には食堂を兼ねた民宿がいっぱい並んでいたりします。

公共工事を請負うには監理技術者を置かなくてはならないのですが、5年に一度の、その技術者証の更新の為の講習を受けてきました。 2万円も取って300人も集める講習、政治家の資金集めのパーティーの方が出席をとらないだけアカヌケしています。 講師は県の課長補佐クラスばかりで、テキストはなぜかまだ建設省の名前の入った寄せ集め、『最新の技術と知識を修得していただくための... 』 講習。

土方だと思ってなめてんじゃねえのか、と昼飯に呑んだビールのせいでとても眠かったです。 ぼくのような優秀な技術者に講義をしようなんて、医師免許の更新に保健所の職員の講義を受けさせるようなものだ、と考える受講者がいっぱいいたことでしょう。 来週はやはり5年毎の設計事務所の更新のために、おなじような講習を受けなければならないのですが ...

義務教育の9年、そのまえに幼稚園に1.2 年、高校、大学に7年、寄り道をすると20年近くも拘束される教育の成果をみて、もうやめようじゃないか、と誰か言わないかしら。

特観席

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〓画像パス〓最後の

特別な待遇を受ける、というのはいいものです。 たとえば行きつけの食堂で、そっと出されるおまけの一品。タイミングが悪いともう一本酒を頼むはめになりますが。

グリーン車、国内線のスーパーシート、これは明快です。お金を出せば散髪屋の椅子よりもっと座り心地のいいシートに座って旅をすることができます。昔、一等、二等と呼んでいたのを、いかにも露骨という配慮から、カタカナにしたのでしょう。 『エコノミークラス症候群』死亡診断書にこの悲しい病名を書かれてしまうと、火葬場に行っても、端っこの方の火当たりの悪い炉で焼かれることになるのでしょうか。

地元に新しくオープンしたホテルの見学会に紛れ込んで、ロイヤルスウィートルームの品定めをしてきました。一泊十万円という、ワールドカップの V I P 用の部屋だったのですが、10人位で雑魚寝すれば元は取れるかな、と思っていたら「何人泊まってもいいんですか?」と聞いている人がいました。

バブルの頃、あるお客さんの宴会でニューオータニに泊まることがあったのですが、夜中の2時、3時に帰ってきて、朝の5時頃、仕事に出掛けなければならなかったので、ツィンのベッドの2段になったマットを一枚ずつ床に下ろして、4.5人で寝るようになりました。 5時頃になると、仕事の都合で皆ばらばらと出て行くのですが、最後までのんびり寝ていると、独りでマットを元に戻さなければならなくなるのでした。

競輪場には特観席があります。ガラス張りの冷暖房完備の建物で、料金も安く、早いもの勝ちですから、2時間も前に列んでいないと入れません。その入場券を使って、ダフ屋がピストン輸送で客を入れるものですから、選手がスタートラインにつく頃には、席のない客があふれかえっていて、その光景は壮観です。手の甲に押す識別の為の透明のスタンプまで、消しゴムを削って用意されていたのです。

カシマのサッカースタジアムが5月に新装オープンして、4万人収容となります。年間100万円の会員になると、ワールドカップの V I P ルームだか放送ブースの個室で観戦することができる、という広告がでていました。 100万円出して一室貸しきりなら、毎試合10人も詰め込んで、商売ができるのではないかと思ったのですが、どうも本人とパートナー程度に限定した、工夫の余地のないものになるようです。これではいけません、クモの巣が張ってしまいます。