2002年2月アーカイブ

暗証番号

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〓画像パス〓鍵

予め暗証番号を幾つか用意しておかないと困ることがあります。 ゴルフ場の貴重品を入れておく金庫とか着替えのロッカーでも、4桁の数字を入れるようになっていたりして、生年月日や電話番号でも入れているのでしょうが、クレジットカードとなるとちょっと考え込んでしまいます。

銀行の自動支払機で暗証番号を入れても受け付けてくれない、なんでかな、と帰りかけたら入れていたのは別のカードの番号だったことが有りました。

ネットバンクを使ってやろうと三つの銀行に口座を作ったら、暗証番号、パスワード、合言葉まであって、どれがどの銀行の番号だったか隠してあるメモを捜さなければならないし、やっと見つけたメモも書き間違いをしていたりしてちょっといかない。 記憶能力をコンピューターにからかわれる時代になってしまいました。

ゴルフを終えて名札のついたロッカーで着替えようとしたら、鍵は開いたけど空っぽで、フロントに言いにいったら、事情を整理した係員がとなりの部屋のロッカーに連れて行ってくれ、鍵を回したら中にはいっていたことがありました。

これは未だによくわからないのですが、朝着替えを入れたロッカーは本来使われる予定になかったもので、同じ番号で名札が掛かっているロッカーが用意されていて、それを使わなければいけなかった、ということなのでしょう。

『業際.. 』という政治家の元秘書がやっているコンサルタント会社が手入れを受けた際、業者や政治家とのやりとりを克明に記したメモが押収された、とありました。茨城では二人の市長が逮捕されて、次はだれかともっぱらの噂なのですが、こういうヤバいものでもどこかにメモを残している、と確信しているから、警察や国税の査察官は家宅捜査をするのでしょう。

数年前のゼネコン疑惑では、「知事20」と空欄に書かれたメモから2000万円の贈賄がバレちゃった、という話しがあるくらいです。

試験の直前にヤマをかけたところのポイントを忘れないように机の片隅に書いておく、学校時代のセコイ習慣から来ているな。

危機管理

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〓画像パス〓危機管理

ニューヨークの同時多発テロでの貿易センタービルの崩壊原因は、公開されたビデオでビンラディン氏が言っているように、突っ込んだジャンボ機によって発生した火災によって鉄骨の強度が著しく低下して、上部の何万トンもの荷重を支えきれなくなったからだ、という見解に異論は出ていません。

鉄というのは千数百度にもなる火災の熱に曝されると、アメのようにグニャっとなってしまうので、せめて避難する時間だけは耐えられるように、耐火被覆の厚さが消防法によって細かく決められています。

今回の事件でも、一時間ほど持ちこたえたのは評価されるべきでしょう。

十年ほどになるでしょうか、大阪のマンションの建築現場で、7階のベランダのコンクリートを打設している最中に、重みで鉄骨のベランダが下の階のベランダの上に落下して、7階から1階までベランダが次々と重なって落ちてしまい、二人の作業員が死亡するという事故がありました。

上の階の荷重を支え切れなければ、雪だるまのように荷重は増して崩れ落ちてしまうという、非常に解りやすい現象なのですが、今回のテロで問題なのは四百人ちかい消防士や警察官が駆け付けて犠牲になってしまったことです。

後になってなされた崩壊のメカニズムの説明に、だれもが納得するにもかかわらず、至急の避難を促した様子がうかがえないのは、テレビを見た家族からの電話でおもむろに避難階段に向かった、というインタビュー記事がそれを物語っています。

消防や警察の行政の責任者がいるはずですが、犠牲になった消防士の勇敢さばかり強調されて、崩壊するおそれがあるからちょっと待て、という指令が出された様子がないばかりか、その責任を追求する声もあがってこないというのが、戦時体勢の高揚した雰囲気の無気味なところなのでしょう。

ハワイ沖のえひめ丸の沈没事件のとき、すぐゴルフを切り上げて対処しなかった首相に欠けていたのは、「1930年代なら即、宣戦布告ですぞ」というこわもての側近で、その意味では一挙手一投足の演出まで管理されていそうなアメリカの大統領より、権力者として振舞っているのかもしれません。

貯金箱

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〓画像パス〓定休日

ポケットでジャラジャラする小銭は貯金箱に放り込むことにしていました。 駄菓子屋の味付けイカが入っている口の広い瓶。 いっぱいになると、配達に来た酒屋のおやじが、店の前にある銀行の僕の口座にいれておいてくれたのですが。

ディスカウントショップに比べて、ウィスキーの値段に随分差がつくようになって、懇意にしていた酒屋との関係が途絶えてしまったのですが、小銭と空き瓶の処理という問題までは考えていませんでした。まだゴミの分別収集もうるさくなかったし。

溜まった小銭を袋に移し替えたりして遣繰りしていたのですが、ある日思い立って自分で銀行に持って行ったら土曜日でお休みでした。その頃から銀行も週休二日になっていたのです。自宅への階段をヒイヒイいいながら上るほど重かったから相当あったのです。

それから数年、友人が貯めた500円硬貨を銀行で両替えしようとしたら、伝表に記入するのに数えさせられた、とぼやいていたことが有ったりして、いっそのこと使ってしまおうかと決心したのですね。

小銭入れと、それを補充するためのケースを買って車に積んでおいて、買い物の度にサイフを二つ持って行く。990円なんて言われると思わず笑みがこぼれ、1110円なんていわれるとガッカリする。だってせっかく忘れずに持ってきた小銭入れには補充したジャラ銭がパンパンに入っているのに、全部小銭で払う勇気はないもんね。

100円と50円硬貨は1ヶ月で使い切りましたが、10円玉には苦労しました。 販売機で使うのも10倍の手間がかかる。昔の手送りのパチンコ台を想い出してしまう作業なのでした。

駐車場の自動精算所でも使いました。300円も入れると次の客が列んでしまう忙しない作業でした。有料道路の料金所に、バケツのような受口のついた支払機があって、これは便利だったな、適当に握って放り込むと清算して多いとちゃんと戻ってくる。

んなわけで、1年かかってしまったのですが、1 円玉、5 円で苦労しなかったのは消費税がその前から実施されていたからで、こまめに使っていたのです。 使わなければ貰う一方だもんね。

名もなく

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〓画像パス〓出前

雑誌に掲載された写真の説明によくある、一人おいて○○氏、といった場合の、飛ばされた一人の立場に言及したのは出久根達郎でした。

『無名戦士の墓』というのも有ります。

DNA 鑑定をして身元の確認をしようか、という話も出てこない。

別荘を舞台にした小説では、地元の人々は野菜を持ってきてくれたり、港にあがった魚を置いていってくれる、人は良いけど物語にとって重要性はない、背景として登場するだけです。 もっとも、地元住民からすると別荘の住人なんて存在しないに等しい旅行者のようなものなのですが。

いつ行っても客がいなくて、これでよくやっていけるな、という食堂や、だれが利用しているのか分らないような商店がなんとかやっているのは、出前を取ってくれる客を確保していたり、昔からの商売のよしみで、いい所に自動販売機を置いてあったりするからでしょう。

町の小さなタバコ屋が、製鉄所の構内のたばこの販売機を独占していて、月に一千万円の売上げがある、なんて話しもあれば、新聞の販売店が チラシの収入を隠していたのがバレてしまい、5000万円の追徴税を現金でポンと払って商店街の話題になった、なんて話しもありました。

税務署は、やる気になれば1年分のチラシをとっておいて調べることも厭いません。

商売というのは難しい、と言いながら、言うほどじゃないのかもしれません。

世間には知られていない、親の代から精巧なニセ札を作り続けている町の印刷屋。 ニセ札も満足に作れないで一人前の職人と言えるでしょうか。

盲人達の秘密結社について書いたのはサバトの『英雄たちと墓』じゃなかったかしら。

祈とう師

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〓画像パス〓呪術

アフリカではサッカーのネーションズカップが行われているのですが、準決勝のカメルーン対マリ戦で、試合開始前に芝の状態を確かめようとカメルーンの選手たちがグラウンドに入ってきた瞬間、警察官が一斉にピッチに入りGK コーチを取り押さえて逮捕してしまった、とスポーツ紙が報じていました。ピッチに置かれたある物が問題だったと。

実は数日前、ドイツの記者のコラムで、アフリカサッカー連盟が参加全チームに顧問の帯同を禁止した。『顧問』とは魔術師や呪術師のことで、センターサークルに鶏の骨を埋めたり、ゴールポストに魔法をかけたり、いけにえをささげる秘儀を職務としているのだとありました。

アフリカのまじないはききそうです。

ピッチに入るときや出ていくとき、十字を切るのを良く目にします。ビスマルクなんかゴールをきめると跪いてしばらく動きませんでした。 中東では試合中にスピーカーでコーランを流していたような気がしたけど。

日本でもやってます。必勝祈願。 生けにえがないので迫力にかけますが、お供えの米、酒、スルメなんかがそれに当たるのでしょう。キーパーが守備位置につくと、こっちのポストに触れ、反対側のポストに触れ、と何かまじないみたいなことをしている姿も目にします。 かつお節が埋めてあったりして。

NBA の中継を観ていると、相手チームのフリースローのときゴール裏の観客が一斉に細長い風船をユラユラ振って選手の視覚を妨げるのは、無邪気なアメリカ人そのものです。

去年オープンした埼玉スタジアムの芝の根付きが悪くて、ワールドカップにむけて張り直しも検討しているようです。カシマのスタジアムもそうなのですが、選手が足を踏ん張ると絨毯がズレる様にめくれてしまう。

専用スタジアムなので、周りに陸上のトラックがなく観客席が迫っているので、日照不足のせいではないか、とか、早く使おうと刈り込んでしまったので根が張るひまがなかったのではないか、といろいろ言われています。

芝は生き物ですから管理するのも大変です。 ちゃんとモグラの供養にミミズをやったのか、なんて言われんじゃないかしら。

神殿

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〓画像パス〓吊り屋根

むかしたまたま通りかかった天理市の町並みに目をむいたことがあったのですが、「なぜ前近代の宗教建築は賞賛され、近代以降の教殿はいかがわしいまなざしで見られるのか」... 五十嵐太郎『新宗教と巨大建築』を読んで、目からうろこ、150年かかって出現した近代の宗教都市だったのですね。

京都や奈良を旅して拝観料を払ってお寺に入るのは、歴史の雰囲気を味わうためでしょう。まさか仏門にはいったとは言わんわな。 通りかかっても後ずさりしてしまう天理市の町並み。150年の歴史では不足なのか。

代々木のオリンピックプールと、創価学会が建てた大石寺の正本堂が、吊り屋根という同じ構造原理を採用した構造表現主義の同時代の作品なのに、前者は絶賛され、後者はグロテスクと酷評された事実にふれ、宗教イコール時代錯誤という偏見に基づく評価だろうと言っています。

吊り屋根というのは最近できたサッカースタジアムにも採用されています。代々木のプールは吊り橋のように2本の高い柱からワイヤーを張り、そこに屋根がかかっている。 ワイヤーが夏と冬では10数cm伸び縮みする、というのは机上の計算で確認していたそうですが、施工する側では簡単ではない。で雨漏りが絶えなくて、設計者の丹下健三と施工者の清水建設が喧嘩して、といういわく付きの建物です。

キリスト教は天をめざして、イスラム教はドームの大きさを、日本の仏教建築は木造ですから、高さやスパンの広さに限度があって、屋根の意匠に凝るしかない。写真で観る限り霊友会の釈迦殿がすごい。今度観に行ってみよう。

一方の大石寺の正本堂も日蓮正宗との争いのあおりで取り壊されてしまいました。 バーミヤンの石仏や大本教の教殿を例に出すまでもなく、時の政治情勢で破壊された宗教施設はいっぱい有るのです。

オームのサティアンも取り壊されました。 宗教施設もここまで来たか、と衝撃をうけたと作者が述べています。多くの宗教が、教祖の代には施設にこだわっていないとは言え、いかにも工場でしょ、あのつくり。

なんと言っても資金が豊富で、そこが公共の施設と違います。 計画の段階からその道のオーソリティーや気鋭の建築家が世界中の宗教施設を見学して、金に糸目をつけず教団の理念を表現する。 オリンピックをやっているソルトレークシティーもモルモン教徒の造った町です。