2002年7月アーカイブ

階級制度

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駕篭駕篭

戦前の暮らし振りは一部の成金を除くと皆質素だったような気がします。 漱石は朝日新聞に重役待遇で迎えられたというのですが、作品や評伝からそんな気配が窺えません。金持ちのぼんぼんの集りだった白樺派の作家達も同様で、皆仲良くエコノミークラスをやっているように見受けられるのです。

バブル期を経ると、以外と多くのファーストクラスの住人がいることが漏れてくるようになりました。奥ゆかしい人々ですから、毎年これだけの金を使わなければならないのだ、という宣言を耳にすることもないのですが、まれに億の単位、数千万の単位まで入れると無数にいるものとおもわれます。

生来のお金持ちと成金と言われる人達、成金の一種なのでしょうが成功した芸能人やスポーツ選手がその構成員でしょうか。

航空業界はこの中間にも確固とした層があることを看破してビジネスクラスというスペースを設けました。自分の懐ではないので気前良く散財できる人、最近あまり耳にする機会がなくなりましたが、根絶やしになったわけではない社用の人々。

景気の良い企業や、さして景気は良くなくても体面を保たなければならないと考える大企業の、そして官庁関係の一部の特殊な人々によって構成されていると思われます。退職までの猶予つきですが。

海外旅行のパンフレットを見て、25万円か、フンフン、ビジネスクラスの方は... で見なかったことにしてしまう人々はエコノミークラスに属することになるのです。なに、道中くらい楽をしようじゃないかとビジネスクラスを考慮の対象にする人、ファーストクラスにしなはれ、周りは社用族ばっかりでっせ、自腹きってそんな輩と席を同じうすることおまへんで。

どっちにしろカプセルホテルなみのスペースしかないのですが。

豪華客船で世界一周していると7年間も乗りっ放しというお婆さんがいたりするそうです。住居代わりに使っているお金持ち。 一か月くらいなら... という人もファーストクラスの住人とは言わないようです。
傘

ベッカムの背中のイレズミを見たりすると、サッカーは労働者階級のスポーツ、というのも頷けなくもないのですが、もとを正せばスポーツなんて上流階級のお遊びに決まっているので、サッカーが大衆に受け入れられるのが早かっただけなのでしょう。

ガレイ船を思わせるボートのエイトなんて競技、貧者が遊びでやるわけがないのです。

小学校の時の教科書にはフェアプレー神話が載っていました。一周抜かれそうになった長距離ランナーがコースを譲ったとか、デビスカップで相手が転んだのでロブで返したとか、『走れメロス』みたいお話。

スポーツのプロ化が進んだ今ではそうはいきません。サッカーは大げさに倒れたりするとシュミレーションを取られイエローカードを出されるようになりました。悪童マッケンローが線審に毒づく姿はテニスがもはやキレイゴトを言っている状況にないことを世界中に示しました。野球では子供でも審判の目を誤摩化すのがあたりまえです。

コンペが終わるとニギリのゼニのやり取りが公然と行われているゴルフが、いつまでも自己申告なんてやっているのが不思議です。

アメリカのサッカー人気がイマイチなのは、労働者階級のスポーツというのがアメリカンドリームにそぐわなかったのだろう、という説があります。でもラグビーはもっと人気がないようです。野球のように攻守がはっきり分かれていなければダメみたいです。

日本の方がラグビーにこだわってきたのじゃないでしょうか。中国、朝鮮がサッカーで日本はラグビーだ、と誰かが考えたのじゃなかろうか。

金持ちのお遊びとして残っている種目もあります。ライフルなんて高価な弾を撃ち続けなければ国体にも出られないし、交替の馬を揃えられなければポロのチームは持てません。ヨットのアメリカンズカップに至っては ... 。

温泉で息を吹き返した卓球には貧者の匂いが感じられますが。

美装屋

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階段f階段

JOC の会長をしていた八木裕四郎という人はレーク・プラシッドの70m級ジャンプで銀メダルを獲得した八木弘和選手の父親なのですが、その為に協会の重鎮になったわけではありません。

東京美装という上場企業の創業者なのです。大学のスキー部に関わっていたときに、学生のアルバイトを確保するためビルの窓ふきの仕事を始めたのだといいますから、リクルートの江副さんのような立志伝中の人物なのです。

美装屋というのはビルの清掃などを年間契約で請け負います。毎日の共用スペースの清掃、週一回の事務所の掃除、月一回のワックスかけ、というふうに細かく取り極めをかわし、トイレットペーパーの補給まで契約に入っていたりします。

新築の建物を引渡す前にも出番があります。新築の物件は奇麗なのが当り前なのですが、けっこう職人が汚すのです。モルタルやペンキの小さな飛沫とか、コーキング材や接着剤の糸を引いた跡がいくらでもあります。小さな建物なら自分たちでやってしまうのですが、それでも切りがなく、結局外注に出したのと同じくらい掛かります。

仕上げ前の段階では、階段には天井が高いので足場が組んであり、薄暗くて通りにくく、下まで降りて行くのが面倒なので踊り場で用を足す職人が跡を絶たず、ションベン臭くなるほどです。釡ガ崎の地下通路みたいなの。

さすがに仕上がった所で用を足す不届きものはいませんが、それでも配管の終わっていない便器が被害にあったりするのです。

掃除のプロですから色んな道具や薬品を駆使して手際良く片付けていきます。蓋を開けたらモワッと煙りがたったりする容器は酸でも入っているのでしょう。最後にポリッシャーで床を磨いてワックスをかけると、もう汚す人はいなくなるのが普通です。

最近「レンジのフードの清掃はいかがでしょうか」と片っ端から電話をかけてくるのは、家政婦を派遣したりする会社の新規のサービスでしょう。 電話にでると「奥さまはいらっしゃいますか」といきなり言われるので非常にこまります。「いません」では外出しているみたいでまた掛かってきそうで ... 。

アル中

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ワンカップワンカップ

高速バスの運転手が缶酎ハイを飲み飲み運転して物損事故を起こすという事件がありました。乗客がこわくて乗っていられないというのはソウトウひどかったのでしょう。「ちょっとトイレに行かせて下さい」とパーキングに停めて後ろに走ってきた運転手に遭ったことはありますが。あれも二日酔いだったのかな。

「嫁さんになれよ」だなんてカンチュウハイ二本で言ってしまっていいの/という俵万智の歌がありましたが、500cc の缶酎ハイが有るなんて知らなんだ。カバンのなかに焼酎の瓶も入っていたというから、これは立派なアル中です。イザというときの備えが出来ている。

アル中にはワンカップの方が似合います。 先日タバコを買いに行った時、店の前で販売機に金を入れている男がいて、ピースを買って出てきたら、販売機の横に空のワンカップが置いてあり、さっきの男は道路の向こうをフラフラ歩いていました。

歯医者の順番を取りに行くというおっさんを乗っけて行ってやった時、歯医者から出て来て隣の酒屋に入り、僕に缶ビールを手渡して、自分はワンカップのキャップを開けるや一息で飲み干してしまって、その速さに驚いたことがあります。F1のピットインでの給油なみの速さ。

仕事から帰って玄関で靴を脱ぐ前に、奥さんが持って来た酒をコップでキューッとやるという人もいたな。

アル中とアルコール依存症の違いは、自己申告してもしょうがないのであって、酒で何度も問題を起こしたのにやめられない人、2週間ほど酒を断ったとき、幻聴とか手の震えといった症状が出て来る人が世間からアル中と認定されるのです。

依存症の人が2週間も酒を断つことは有りませんから、別の用件で入院したり、刑務所にでも入るまで判定の機会は持越されます。

平穏無事な依存症の人達は、仕事を終えて晩酌を始めると、長くても3、4時間が限度で、それは歳を経るにつれ2時間が1時間となるのですが、出来上がって寝てしまうことになり、男の早寝、女の夜更かしという構図が出来上がっているようです。 キッチンドランカーというのもいるけど。

サルベージ

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サルベージサルベージ

南シナ海に沈む不審船の引き揚げが始まりました。財宝を積んだ難破船の場合は、自腹の金勘定をしながらやらなければなりませんが、これは国がスポンサーだから安心です。あのような外洋では10%も稼働率がないのじゃなかろうか。台風が来る度に避難しなきゃならないし。

サルベージ業界というのは日本サルベージというバックに保険会社がついている一強と、その他の4弱くらいの小さな業界なのだそうで、「わが社も日本で5本の指に入っています」と地元のサルベージ屋の番頭さんが言っていました。船が難破すると保険会社から通知があって、FAX で入札するのだそうです。

海の仕事は潮の満ち干や波の影響をモロに受けます。待機することが多く、時間も不安定な短期集中型の仕事で、ロマンというより漁師のそれ、太陰暦の世界だな。朝4時、とか5時に「いい凪ですよー」と起こしにくるという漁師町。

港の岸壁でクレーン船で物を吊るのを見ていたことがあるのですが、波で上下するクレーンのフックにワイヤーを掛けるのに、鳶が波のタイミングを見計らって、ソレ!と一斉に飛んで逃げるんだぜ。挟まれちゃかなわんもんな。

アメリカの五大湖の一つで、100年も前に沈んだ木材を引き揚げる作業をテレビでやっていました。ダイバーが潜って沈んだ木材に浮きを取り付け、エアーを送るとブハッと浮き上がってくる。水のなかではこんな事ができるのか、と感心してしまいました。

そういえば海上の足場で、足場板を移動するのにフウフウいっていたら、例の番頭さんが板を海に放り込んで手鈎で移動させながら、板は水に浮くんですよネとバカにされたことがあったっけ。

去年、友人の小さなボートに乗って花火の会場の近くで繋ぐ所を探していた時、その会社の台船が橋の下に有るのを見つけて、乗り移ってゆったりと堪能することが出来ました。謝謝。

左官

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カリスマカリスマ

左官仕事が見直されているのだそうです。天然素材、泥を捏ねてというのが新鮮に映るようになってしまいました。建築家と組んで新たな表現を提案するカリスマ左官までいるのだそうです。つい最近まで徒弟制度のようなものが残っていて、5年間はタダ働き、職人になって1年間のお礼奉公とやっていたというのですが。

左官の落ち込みは目を覆うものがありました。住宅から左官仕事が無くなってしまったのです。コンクリートの建物でも土間の押さえやサッシの仕舞い、打ち放しのコンクリートの補修くらいになってしまい、壁を左官で仕上げるというのは無くなってしまった。

責任の一端は彼等にもあります。一昔前、新建材でさかんに壁を塗ったりしていたもんな。最近は誰も使わなくなった見るからに安っぽい聚落の壁とか。

工事をする側からは、時間が掛かるうえに天候に左右されるので工程管理が難しい、汚されるという欠点もあって、出来るだけ左官仕事を減らして、という流れもありました。

左官仕事は其の国によって独特な工法があるようです。石造り、泥造り、木造と下地も違えば使う材料も違います。『イワン・デニソーウ゛ィッチの1日』ではレンガの壁に液状のモルタルをバケツでぶっかけていました。ポタラ宮殿でもそんなことをしていた。色彩豊かな泥を捏ねて伝統的な模様に塗りたくるアフリカの聚落の写真は奇麗だったな。

大学のゼミの教授が『左官工事』という本を書いていて、専門書のコーナーで燦然と輝いていた時期がありました。左官工事のオーソリティーと紹介されているのも見たことがあったし。そんなことを研究している人が他に居なかったのです。

20年ほどして教授の還暦を祝う会という通知を見て、へえ、あの頃そんなに若かったのかと驚きました。40でも相当なおっさんに見えるものなのですね、20代というのは、恐ろしい話です。『京都の由緒有る左官屋の家に生まれ.. 』と経歴に書いてありました。 何年か前亡くなったのですが、元気だったら今頃カリスマ教授になっていたかもしれんな。

戦闘機

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ノアの方舟ノアの方舟

今回のワールドカップでは選手と子供が手をつないで入場しました。選手も子供達も緊張しているのでしょうが、たまに子供好きらしい選手の表情が見られたり、国歌が終わるとひとり拍手している子がいたり、立ち去るときハイタッチをしている子もいたな、調子外れに国歌を歌う選手を見上げる子供もいそうで、それはそれで面白い。

アメリカ国歌しか耳にする機会のない国際大会で、ブラジルやトルコの国歌を何度も聴くのも珍しい。ブラジル国歌は随分せわしなく、トルコ国歌は勇壮だ。韓国の国歌も何回か耳にしたけど、印象に残らん曲だ。『そびゆる白頭山』というのだそうです。 考えてみると、よその国の国歌なんて聴く機会もなければそれほど関心があるわけじゃないのですね。

団体競技でもないボクシングの世界タイトルマッチで「両国の国歌を・・」とやるのはなんのつもりなのだろう。

移民軍団のフランス選手がちゃんと歌っているかチェックしている極右団体もあるそうです。そういえばアレックスが帰化申請をして君が代の特訓中という記事があったり、中田がダサイ歌と言ったとかで右翼から脅されたという話もありました。

君が代は表彰式にはともかく、出陣前に聴く曲としてはちょっと元気がでてこない。威勢良く軍艦マーチなんてどーだ。そういえば小学校の運動会で君が代を行進曲に仕立てたものを聴いたような気がするが。

近所の幼稚園では、ジェット戦闘機がやって来ました。胴体と翼部分を別々に積んだトレーラーが停まっていたので、何が始まるのか通りかかる度に見ていたら、自衛隊から5人ほど来て三日がかりで組立てていました。練習機の払い下げなのでしょう、輸送費と組立て費だけでもけっこうな出費だったのじゃなかろうか。

子供達が操縦席に座って遊ぶのかと思っていたら、屋根ほどの高さに固定されてしまって、ただのモニュメントになってしまいました。残念。

この幼稚園はノア号と書いた舟形の建物も有るのですが、ノアの方舟と戦闘機という組合せもよく解らん。大きくなって分裂症にならなきゃいいが。

文化運動場

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文化運動場文化運動場

プロになる前の方がボールを蹴っていたけど、やっぱり芝の上で蹴らないと上手くならないですね、と相馬選手がアントラーズにいたとき言っていました。 芝のグラウンドで練習している大学や高校のサッカー部はほとんど有りません。 隣の波崎町には芝を張ったサッカーの練習場が一杯あって、合宿シーズンになると子供から大学のチームまで全国からやって来るそうです。

民宿がペンションと名を変えて、依託された農家が畑に芝を張っただけなのですが、これが好評なのです。その辺り一帯は耕地整理をした所で、農地転用出来ない所なのに、と最近問題になっています。

学校のグラウンドに芝を、という運動が有ります。イギリスやドイツでは... とやっているのですが、それから先に進む気配はありません。

芝を張るだけなら平米1000円もあれば張れます。一万平米も張れば十分でしょうから一千万円。グラウンドとして使うには基盤の暗渠排水くらい入れないといけないので、その整備費にプラス2000円といったところで、とりあえず三千万円で青々とした校庭になるのですが。

張るのはいいが、それから毎年負担しなければならない維持費に躊躇してしまうのでしょう。夏場は週に一度は芝を刈り、草取りもしなければいけません。年に一度は肥料をやったり目砂を入れたり。

朝礼なんかで整列すると痛んでハゲチョロケになってしまうので、同じ場所を使わないようにしなければいけないし。ウィンブルドンの芝のコートも決勝までの試合でどんどん傷んでいくのが分かります。

プロ野球の球場で内野のフィールドに芝が有るのは神戸のグリーンスタジアムだけでしょう。大リーグの中継なんか観ていると寂しいかぎりです。

金が無いわけでもない甲子園で、なぜ内野のフィールドに芝を張らないのか? これは春、夏の高校野球の大会期間中1日4試合も使うハードスケジュール、それもバントばっかりするから、その維持に自信が持てないからでしょう。

スポーツを楽しむ為には芝が必要で、それを維持するのは金がかかる、という問題に躊躇してしまうのは文化の問題だな。 文化住宅、文化包丁、文化グラウンド。

カラオケ

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マイクマイク

ワールドカップの日本戦をカラオケボックスでテレビ観戦して騒いでいるのをニュースでやっていました。スカパーでしかやっていない昼間の試合をどこかで観られんものか、と思っていたのですが、そんな手があるとは知らなんだ。

5年ほどになるでしょうか、工事を始める前ご近所に挨拶まわりをした中に、オープンしたばかりのカラオケボックスがありました。モーテルのような外観でしたが、商売をするには一億くらいの投資をしなくちゃね、と経営者が言っていたので其のくらい掛かっているのでしょう。

今の若い人たちはスナックなんかに行かないですよ、ともゆーとった。 たしかに自前の彼女でも連れて行ったほうが楽しそうだ。結婚式の流れ客が上客らしい。

お客さんに頼まれて『第一興商』と掛け合ったことがあるのですが、あれはハードより1枚2万円近くするレーザーディスクの方が金が掛かる。全部揃えると100枚以上あるのです。通信カラオケに移行するとき、多くのカラオケ店がそれが惜しくて失敗したんですよ、とも言っていました。

スナックでカラオケが幅をきかすようになって、25年くらいになるでしょうか。おかげで選曲しているフリをしていると誰かが歌ってくれるので、随分楽になりました。以前は手拍子で歌うんだもんな、歌詞も覚えておかなきゃならなかったし。

しかし何で酒を飲んだら歌を歌わなきゃならんのだ。めったに上手い人はいないし、自分で歌っていてもシラケてくるし、酔い覚ましには良いかもしれないが。 Ego-Wrappin の色彩のブルースを歌ってやろうとしたら、歌詞カードになかったり... 別にかまわんけどね。

その店を一度くらい使わなくてはと思っていたけど、とうとう行きそびれてしまいました。あまり若いスタッフがいなかったからかなあ。

政治家にもマイクの持ち方がカラオケのそれ風になってしまう人がいます。恐ろしいことです。カラオケでは歌いませんというプロの歌手がいました。これは賢明です。